私は鉄鋼メーカーへの営業職として働いていました。メーカーへの営業なので飛び込みはなく、いつも同じ部署を回るルート営業が主な仕事でした。もともと人と関わる仕事がしたいと思っていたこともあり、営業職を選びました。しかし、業務の内容は他社との競合やお客との駆け引きなどが多く、仕事上の付き合いで信頼関係を築くことが難しいように感じていました。成績が上がっても競争に勝ったという満足感はあっても、お客や仕事仲間から喜ばれているといった感謝の気持ちを感じることは少なかったです。また、扱う商材もバルブやポンプといった工業用品で、個人的にはあまり興味を持てない内容のお仕事でした。
転職のきっかけ
仕事内容は興味がなかったとは言え、辞めたいと思うほどではなく、がんばって仕事を覚えようと前向きに考えていました。そんな時異動があり上司が変わったことがきっかけで、会社での様子が変わってしまいました。その上司はやればやっただけ成績が上がると信じていて、実際成績もトップクラスでした。ただ、適切な時間に終わることを知らず、毎日日付が変わる頃の帰宅時間になっていました。そのやり方を部下にも強要していて、部下の仕事が終わると自分の仕事の雑用として見積もりを作成させたりして、早めに帰宅することを許しませんでした。単に仕事の手伝いをする分にはそこまで不満もなかったのですが、一番の問題は終わりが見えないことでした。ある程度まとめて、今日はこの仕事をやってくれと言われていると、ある程度終わる時間も予測できます。しかし、仕事の振り方が1つずつというやり方であったため、1つ終わると次の仕事、次が終わるとまた次の仕事と、自分が帰る気になるまでエンドレスで出てくるのです。たまに上司の都合で早く帰れることもありましたが、このままでは健康を害すると思い始めました。食欲はなくなり体重が減少し、出勤することが憂鬱になってきたのです。振り返ればおそらくこの頃は軽いうつ病になっていたのだと思います。こういった事情があり転職を決意しました。
転職活動
気持ちが滅入っていたこともありますし、常に帰宅時間が日付をまたぐような生活をしていたので、転職活動も思い通りにいきませんでした。そこで思い切って一度辞めてから次の仕事を探すことにしました。退職後1か月ほどはゆっくりしていましたが、段々と次の仕事が決まらないことに焦りを覚えました。その頃は独身であったので、経済的な心配は少なかったですが、それでも家族からのプレッシャーはありました。結局次の仕事には人に感謝される仕事が良いと思い、当時話題になっていた福祉の仕事を目指すことにしました。全く専門外のことであったので、まずは資格を取るため1年半ほど学校に通いました。その後資格を取得して福祉の仕事に就くことができました。
転職後に思うこと
仕事内容は希望していた通りのもので、休日などの待遇もこだわって選んだこともあり満足しています。もちろんほとんど残業もなく、定時退社が可能な職場です。一つ思うことは、転職する時には退職する前に次の仕事を決めておいた方が良いということです。一度辞めてしまうと経済的な問題もあるため、なかなかゆっくり選んで決めることが難しく、妥協して決めてしまうことになりやすいです。今の仕事を続けながらであれば、自分の希望する条件を満たす会社からの求人を待つことができます。もし今の仕事に不満があるなら、病気になる前によく考えて、早めの転職をお勧めします。