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新卒で不動産営業職へ就職
専門学校卒業目前私はなかなか就職先が見つからず、給料の高かった不動産営業の説明会に何気なく行ってみました。何も知らない世界でしたが、その会社の雰囲気が悪くなかったのでここ受けてみようかな、くらいに思っていました。説明会の帰りに人事部長さんから電話があり、やる気があれば採用します、とのお話で就職先がこんなに簡単に見つかるならと安易に受けてしまいました。その後、本社で最終的な意思確認と必要書類などの説明があり、私は学生寮に入っていたので、さすが、不動産の会社だけありすぐに会社から二駅ほどの賃貸まで紹介してもらいました。こんなに手厚くお世話してくれるならきっと良い会社なんだ、とその時は思ってしまいました。
新入社員はまず足を使え
就職して最初の仕事はまず自分の名前入りの不動産のチラシを与えられたエリアで配り切ることでした。何百枚と言うチラシを紙袋に入れて肩も腕もちぎれそうになりながら配って、時にはポストに入れる前に家主から怒鳴られたこともありました。雨の日に紙袋を路上に置いたためふやけて底が破れチラシを道路にばら撒いた時の悲しさは今思い出しても憂鬱になります。私は女性だったので日付が変わる前に帰されましたが、同期の男性社員たちは夜通しビラまきをやらされていました。
契約を取れないやつに休みは無い
入社前の説明では休みは営業職は基本的に火曜定休で、隔週で火、水連休になります。と聞いていました。ところが薄々感じてはいましたが、契約が取れた人は休めるという裏規定があり、取れていないものは何十日も連勤させられ、一ヶ月に一回休めれば良い方でした。勤務時間も8時半から午前0時過ぎは当たり前の会社でした。
体調を崩して休むなら日曜でも診断書持って来い
そんな過酷な労働で心身ともにおかしくなり、日曜日に体調を崩し、休む連絡をしたところ、上司が「休み明け診断書持って来い」と言いました。日曜日なのに・・・その時、この会社ダメだ、もう辞めようと決意しました。ちなみに入社してから地元の成人式があったのですが、最初は二日休みをもらえたのですが、振袖を着て写真館で写真を撮ってもらっている時に会社から明日朝いちの新幹線で帰って来て出勤しろ、と言われました。最低ですよね。
泣き落としでようやく退職を認められる
入社半年ほどで、退職願いを出し、課長から何時間も説得されましたが、大泣きしてもう無理です、と泣き落としてやっと辞められました。その時点で、同期の男性社員は30人中15人くらいはすでに辞めていました。他の女性社員はしぶとくまだ残っていたのでやはり女性のほうが根性はあるのかもしれないな、と思いました。
新しい職場は天国のよう
そして、退職後すぐに転職活動を頑張り、前から憧れていた結婚式場でのお仕事に就くことが出来ました。タバコくさい男社会から女性だらけの華やかな世界へ移り、休みもシフト制でしっかり取れて、しかも同世代の先輩たちとは直ぐ打ち解けて仲良くなり、まるで女子高みたいに楽しい職場でした。以前の仕事は無理やり不動産を買わせるみたいな仕事でしたが、こちらはお客様の方からいらしてくださり、携わった後はとても感謝されるという素晴らしいお仕事でした。
本当にあんなブラック企業を辞めて、こちらの業種に転職して心から良かったと思います。ただ、休みもなく、セクハラ発言に毎日耐え続け、そのおかげで根性だけは鍛えられたので、そのことだけは良かったな、と思っています。