夢と現実のギャップ・・・
私は現在、鉄道会社で駅の係員をしていますが、以前は旅行会社で営業マンとして7年間働いていました。
子供の頃から旅行が好きで家族と色んな所に出掛けたりもしていましたので、学生の頃には旅行関係の仕事がしてみたいと思うようになりました。
そして願いが叶い、大手旅行会社に就職する事が出来ました。
旅行会社の店舗でよく見かけるパンフレットや旅行の行程を考えたりする業務をしたかったのですが、営業に配属となり、少しショックな気持ちでした。
しかし、営業もオーダーメイドでコースを考えたり、募集用に簡単なパンフレットや案内状を作る事がありますので、まぁ良いかと深く考えないようにしました。
ですが、入社してすぐに小学校の修学旅行の担当をする事になりました。ここから段々、イメージ通りに行かない会社人生が始まる事になります。
まず、小学校の営業ですが、打ち合わせ出来るチャンスがあるのは夕方のほんの数時間だけです。担任の先生は朝から夕方まで殆ど授業に出ていますので、アポイントを取れる時間帯がほぼ決まってしまい、シーズンに入ると打ち合わせと準備で身動きが出来なくなってしまいます。更に早朝には修学旅行へ出発する学校の見送り、または添乗員として同行する事になり、仕事の半分以上が小学校関係と言う事もありました。
私としては一般企業の営業をしたかったのですが、なかなかチャンスがありませんでした。
そんなこんなで希望叶わず、結局退職まで学校関係の担当から外れる事はありませんでした。
どこの誰が売っても中身は一緒。
旅行会社は「他人の物」を売っていると言う事に気付いている方はどれだけいるでしょうか?
ホテル・交通機関・観光施設等、一部の例外はありますが、殆どが「他人の物」です。
勿論、各社の仕入れ力や対施設へのパワーバランスもありますので、A社とB社で仕入金額や販売金額が違うと言う事もあります。
私が痛感したのは、学校関係の修学旅行はなかなかコースや旅行先が変わる事がありません。コースの中身を変えるだけでもかなり順序立ててしないと昼食の内容すら前年と全く同じと言う事が多々あります。たまたまタイミングで旅行先が変わったとして、も内容は全て向こうから指定されていると言う場合が多いので、結局金額だけの勝負になってしまいます。これではどの会社の誰が担当しても同じだなと思う様な案件は金額だけで勝った負けたと言うだけで、契約しても嬉しいとかと思う感情は湧きませんでした。
地震が考え方を変えた。東日本大震災での事。
2011年3月に東日本大震災が発生。
日本国内が自粛ムードとなってしまい、時期的にお花見をするのも周りから白い目で見られるような状況になってしまいました。
そんな中、やはり旅行会社には大きな影響を与える事になります。
地震直後、東北方面へのツアーは全て中止か延期。これは勿論、当然の事だと思いますが、自粛ムードの影響を受けてしまい、全く関係ない地方へのツアーもキャンセルや延期が発生し、直接自身と関係無いようなツアーでも、理由が地震とされればキャンセル料を貰える状況ではありませんでした。また、会社の業績も大きく下がり、給料も減額される事になりました。
この時に思ったのが、平和が前提の業界は平和じゃ無くなると業界が脅かされるんだな。と言う事です。これがきっかけで転職を決意しました。
すぐに転職サイトで、仕事を探しました。今の経験を生かすために旅行会社では無く、鉄道業界かバス会社、ホテル業界を探す事にしました。
やはり、面接まではどの会社も結構簡単に進めました。旅行会社の経験が生きますので、前述の業界は業務知識をそのまま使う事が出来ます。
また、自分の中で「自社の商品」を売っている会社で営業以外の職種にしようと思っていましたので、鉄道会社を目指す事にしました。
幸い、転職活動を始めて僅か2か月ほどで内定を貰い、現在では鉄道会社で働いています。私の条件は「自社の商品を売っている」・「営業担当以外」・「戦争や災害が発生してもあまり影響を受けない」でしたので、すべての条件を満たしているのが鉄道会社でした。鉄道会社はインフラ関係にも通じて行きますので、何か天災が発生しても、それを維持する動きが必ずありますので、企業としては安定しています。それに営業では無いので、仕事は全て受け身です。しかし、この業務内容も自分の働いてる駅周辺の案内や目的地までの交通手段の案内、切符の販売や券売機等の精算業務ですので、覚えてしまえればそんなに難しい仕事でもありませんでした。夜勤があって大変な部分もありますが、若いメンバーが多い業界ですので、今は自分も若返ったつもりになって頑張っています。