私はもともと金融機関の営業として働いていました。新卒入社ということもあり、新規顧客を開拓すべく、法人個人問わずに一日何百件も電話をかけたり、飛び込み訪問をしてアポイントを取るのが日課でした。
最初の頃はそのような仕事にもやりがいを感じ、お客様が獲得できた際には達成感も得られたりしていたのですが、次第に体力勝負な側面が明らかになるにつれて、本当にこれは自分に合った働き方なのだろうか、と疑問に思うようになりました。
もともと経済学部を出ていた私は数字を見ることが好きでした。またサークルでも縁の下の力持ち的な役割を担うことが多く、事務作業をテキパキとこなすことで定評がありましたしかし、営業職でとにかく一人でも多くの人と話して興味を引くことを至上命題とされていた私は、次第にこれは自分でなくてもできる仕事ではないのか、と思うようになったのです。。また、学生時代に留学した経験から語学にも自信はあったのですが、金融機関での営業ではそれを活かす場もありませんでした。
そこで、転職を考え始めた時に出会ったのが「商社の営業事務職」です。商社の営業というと、世界中を飛び回り企業間の仲介役となったり、自らが投資先を選定してプロジェクト開発を進めたりという印象が強いですが、営業事務であればそれらの活動に必要な資料を揃えたり、海外との調整を行ったりと自分のスキルが活かせそうな業務が多くありました。また、営業をした経験から、どのようなタイミングでどんなサポートが受けられたら助かるのか、という観点から物事を考えられることもできたために、営業としての経験も活かせる場であると感じました。
そこで迷わず商社の事務職というカテゴリーに絞って転職活動を行い、無事に希望に沿った場所に転職することができました。そこでは海外から製品を買い付け、それを国内のお客様に出荷するという流通機能が強い部署だったのですが、海外からの買い付け一つをとってもどこのルートを使ってどれだけの製品を買い付けるのかをカウンターパートと日々英語でメールや電話をしたり、日々買い付け量の実績を数字にまとめて相手先企業に提出してコストダウン交渉をしたりと今まで自分の眠っていたスキルを存分に活かすことのできる場がそこにはありました。
営業事務という立場上、表立って交渉等をすることはありませんでしたが、交渉に臨む営業のことを常に考えながら資料作りや買い付け提案を行った結果、転職してあまり日が経たない頃からも営業からの信頼を得られるようになりました。
自分の能力が活かせる場であったからこそ、企業に貢献できているという自負と共に毎日やりがいを持って働けているのだと思います。