私は3年前まで運送業界の営業職をやっていましたが、現在の2交代制の工場作業員に転職を致しまして、その際の体験談となります。
当時33歳(男性)だった私は岡山県の運送会社で営業をやっていました。
運送業の営業というと商品を売るわけではないので、他業界の方にはあまりピンとこない感じだと思いますが、要はお届けする荷物を獲得し、それを現場で無事に納品まで完了するかの管理と売上・支出面でどうかという経営的な管理の両面から成り立ちます。
某大手宅配業者のように個人消費者を相手にするわけではないので、法人対法人の取引に特化するので、そういうタイプの営業だとご理解ください。
さて、運送業の営業は他の営業マンもそうだと思いますが、携帯電話の所持を運命付けられます。
一般的に運送業の一日は非常に早く、夜~朝の暗い時間から仕事が始まり、お客様の納品希望時間はもっぱら明るいお昼前後ですからこの時間に納品、夕方頃は明日の準備に取り掛かります。
この一連の時間の中で、例えば「時間になっても商品が届かない!」とか、「頼んでいない商品が届いた!」とか、「箱の中身を見たら壊れている!」とかいったお客様からクレームがまず届きます。
次に「トラックが壊れた!」とか、「道路が事故で渋滞して進めない!」とか、「指定された時間に着たのに誰もいない!」とかいった現場ドライバーからの異常報告が届きます。
さらには、「今日必要なものを注文し忘れたから今から届けてほしい!」とか、「本当は10時に必要だったんだけど指定し忘れたから急いできてほしい!」とか、「今から集荷にきてほしいんだけど来てくれるかな!?」といった、当日になって予定にない無茶なご希望がやってくることも日常茶飯事です。
こちらが念入りに段取りをやってもやっても、当日にあって狂わされることが当たり前の日々が続き、そしてこれらの連絡は朝であろうと夜中であろうと、休みの日であろうと際限なく続いていきます。
いわば24時間365日自分だけ営業中のような事態がずっと続いていくのです。
もちろん、売上管理のような通常の営業事務の業務も会社でこなさなければなりませんし、新規の顧客獲得や既存の顧客対応といった会社の中にいただけではできないことも外に行ってやらなくてはなりませんから、営業職の守備範囲は野球でいうとセンターからホームベースまで自分達でカバーしなくてはならないくらい広く、そしてお給料はそれに見合わないくらい低いのです。
これらを6年間繰り返すうちに心も体もくたくたになってしまいました。
そしてプライベートで結婚をすることになり、それを気に辞めることにしました。
現在の仕事は工場勤務のため、前職とはうってかわって決まった時間に出勤し、決まった時間に帰宅します。
また、休日はしっかり休めますし、家族との時間も確保できています。
仕事漬けの日々はそれはそれで充実感もないわけではなかったのですが、やはり家族との時間を大事にしたいと思った時、今の生活にして良かったと思います。
以上、私の営業からの転職体験でした。