今回は元カーディーラー営業の方から転職体験談をご投稿いただきました。
現在は生命保険会社に勤務。
その当時の事を振り返っていただきました。
元カーディーラー営業の方の転職体験談
宮城県在住のS.S(男)です。
25歳で中途採用入社し、39歳で退職しました。
T系ディーラーを退職し、現在は生命保険会社の営業をしています。
それまで色々な仕事を経験しましたが、お客様と接する仕事は好きでしたし車・バイクの類が好きだったので天職だと思っていました。
お客様との商談のかけひき、成約の時の達成感、納車の時の感動、お客様からの感謝の言葉、自分がお客様に必要とされている実感、部下を育てる楽しさ、本当に楽しい仕事でした。ですので、転職しようと思ったきっかけはその他にあります。
まず、労務管理。
元勤務先は完全なるブラック企業で、勤務時間は朝8時から夜11時位まで、プライベートな時間はほとんどとれませんでした。
休みは毎週月曜日でしたが、土日の成約分は月曜日に車庫証明を出すのでほとんど取った事がありませんでした。
正直に言えば、どうせ月曜に家族は誰もいないのでなかなか日頃できない仕事を月曜にしていたところもあると思います。
そうしているうちに、家族との距離がだんだん離れていくのが自分でもわかりました。
加えて私の頼まれると中々断れない性格が災いして、私がやるべきでない仕事を頼まれる事が多くなりました。
具体的には、イベント来場客集計、店舗の受注・販売実績(各スタッフ毎)の集計、値引管理表作成、店長会議の資料作成、ISOの監査書類作成、店舗全員の出勤簿の改ざん、同僚営業スタッフの始末書とそれに対する店長コメントの作成、etc....。およそ店長の仕事の7割方やらされていたと思います。
私一人でサービス残業して午前様という日も少なくありませんでした。
営業回りする時間は限られ、代わりに給料には一切関係ない仕事を抱えていました。
労務管理というよりは、上司に恵まれなかったと言った方がよいかもしれません。
そして、高額な「強制自腹」
商談に入って来た店長は、「冬までにタイヤを準備する」「納車までに何かナビを用意する」という約束をお客様と勝手にします。
私はそこまで値引きしないと成約しないのであればあきらめようと思っているのに、店の1台が欲しい店長はびっくりするような約束をしてくれます。
その上、「ここまでしか値引できないからこの予算でタイヤを準備しろ」という無理難題をふっかけてくれます。
納期は確実にやってくるので、間に合わなければ自腹で準備する事になります。
最後に今までの文章からもわかると思いますが、アホな上司が会社でのけぞっている事実。
しっかりして人望の厚い上司もいますが、そういう方の現場サイドの意見は自分の保身第一のアホな上司達にかき消され、会社には届きませんでした。自分の将来を考えると、全く希望が持てませんでした。
退職に至るきっかけとなったのは、その会社の下取提示額があまりにも安い為にお客様に中古車販売店を紹介した事でした。
業界ではタブーと言われながらも皆やっている事です。
見せしめとして処分されました。会社に内部告発したのも、アホ上司です。
自分の管理不行届きの責任も問われる事など考えもしなかったのでしょう。
自分で告発して、自分で左遷されたのには笑いました。
今は生命保険業界にいます。この業界は、一応事務所はあるもののみんな個人事業主扱いです。自分で仕事を取る以外、他の仕事は舞い込んできません。働いた分だけ、給料になります。
ただ、そういう人たちの集まりなので、まず「年甲斐もなくわがままでマイペース」な人が多いです。
厳密にいうと生保と損保では違うのですが、車屋にいた時の損保の知識も役に立っています。
自分の仕事量は自分で決めるので、労務管理も自分でします。
法人メインの会社なので土日も休めますし、家族に対しては充実した生活を送れるようになりましたが、その分責任も増えました。
給料の面は全く安定しないですから。でも、子供の顔を見ながらご飯を食べる事が格段に増え、嬉しい限りです。もっと子供が小さいうちに転職しておけばよかったと今さらながらに思います。
思い切って転職して得るものもあれば、我慢して得るものもあると思うので、正解だったかどうかはわかりませんけどね。
管理人の感想
ディーラーの中でも大ベテランの方ですね。
僕なんかそれっぽちでやめたのかってレベルに聞こえるほどに。
それこそ僕から見たらマネージャーか副店長クラス方だったんですね。
でも僕のいた会社も齢40手前だろうが関係なく転職される方はたくさんいました。
それくらいきっと負担がかかるポジションなんでしょうね。
読んでてその光景が手に取るように浮かびました。
僕も間近で見てきた光景でしたから。
本当にお疲れ様でした!