私は数年前まで住宅関係の営業をしていました。営業をやろうとしたきっかけは人とコミュニケーションを取るのが得意な方だと自負していたからです。
そもそも私は大学時代にこれといってやりたい仕事が見つからず、就職活動も半ば適当にやっていました。私の取り柄といえば人と話すのが好きなこと、それだけを理由に営業職で働くことを決めてしまいました。しかし、それが地獄の始まりでした。
思っていた仕事と違う
実際に住宅関係の営業職の一員として働き始めましたが、就職前に考えていたプランは一気に崩れ去りました。人とコミュニケーションを取ることは得意でも、営業という仕事は初めてです。そのため、契約の取り方がわからずに四苦八苦していました。さらに、私の3年先輩の男の人がとても成績が良く、その人と比べられる毎日でした。私自身契約を取るために試行錯誤していましたが、元々住宅関係の営業は頻繁に契約が取れる仕事ではありません。一件一件を大切にしなければなりません。正直先輩はどうやって契約を取ってきているのかわかりませんでした。ある日長い時間をかけてようやく契約を取ることができ、ほっとしていました。しかし、上司が私にかけた言葉は「お疲れ様」でも「よくやった」でもありません。「追加オプションを取ってこい」でした。私自身が仕事に対して甘い考えを持っていたのは否めませんが、さすがにこたえました。と言うのも、それまで残業の日々が続き、休みもろくに取れない毎日を送っていたからです。やっと休めると思った矢先に容赦のない一言を浴びせられ、本当につらいと感じました。この仕事を続けていけるだろうかとふと周りを見渡した時、入社時の社員が何人かいないではありませんか。どうやら仕事に疲れたり、合わないと感じてやめてしまっていたようです。自分の仕事に集中していて気づきませんでしたが、そのときようやくこの会社はダメだと感じました。
営業職からの転職
営業職に限界を感じて転職をすることにしました。私が選んだのは接客業です。接客業を選んだのはコミュニケーション能力を活かせるということ、友人が系列の店舗で既に働いていて評判は聞いていたということ等が挙げられます。営業職の仕事を続けながら別の仕事を探していたとき、友人に声をかけてもらって本当に助かりました。正直接客業の方でも、今の会社のようにイメージと違ったらどうしようという不安はありました。しかし、そのときはとにかく今の環境を変えたいという一心で、わらにもすがる思いでした。
実際に現場に立ち、1か月の研修を終え正式な社員となることができました。給与面では前職より2割程下がりました。しかし、残業の少なさ、仕事の楽しさ等を加味するとプラス面の方が目立った結果となりました。何より朝起きた時仕事に行くのが苦痛でないというのが大きなメリットだと感じています。仕事をやめるのは勇気がいりますが、どうしても我慢できない時には大きな一歩踏み出すべきだと学びました。