現在広告代理店で内勤業務している39歳男性です。以前はリフォーム会社の営業職をしていました。三年ほどその営業職を経験し転職を決意いたしました。
見知らぬ家の扉の前で
私が営業職を辞する決意をしたのは、新規顧客開拓で日々見知らぬ家の扉をノックしていた時です。元来あまり社交的でなかった私ですが、これも仕事と割り切って来る日も来る日も、新規顧客を求めて扉を叩いていました。当然成績も芳しくなく、上司に叱責される日々でした。ちなみに、お客様は主に一般家庭などが対象でした。そんなある日、扉の前に立ちノックしようとすると、「契約が取れるまで帰ってくるな」という上司の顔が浮かんでしまい、同時に手に汗をかきどうしてもノックができなくなってしまいました。家の前に立ちすくむこと15分くらいでしょうか。偶然中から人が出てきて、私は思わず軽く会釈してその場を立ち去ってしまいました。
営業職をこのまま続けたら病気に・・転職を決意
その日境にに私はお客様の元に訪問することができなくなってしまいました。もともと営業職が好きなわけではなかったので、一度そうなってしまうと堰を切ったように止めどもなく営業の仕事が嫌になっていきました。業種としても無理にでも契約を取るというところがあり、そんなところにも嫌気がさしていました。確かに社の業績は良かったのですが、営業部員は皆どこか暗く沈んだ顔をしていました。同僚と飲みにに行くと決まって話題は早く辞めたいという話ばかり。
確かに生活のため、自分のために仕事をしなければと思うのですが、現場に出るとどうしても足が動かなくなってしまい、おまけに夜も不眠がちに。このままでは本当に体調を崩してしまうと思い、転職を決意しました。
そうと決めてからは自分に少しでもあった仕事、せめて営業以外の仕事を探しました。主に転職サイトを利用し、転職フェアにも参加したりしました。幸い昔いた会社で経理関係の仕事を少ししていて、その時に簿記の資格を取得していたので、経理を含めた事務職の就職が決まりました。今までは電話をかけたり、訪問したりする側だったのに、今度は受ける側に変わり、最初は戸惑いも少々ありましたが、営業職の時の緊張感に比べればたやすいものでした。社内の人と仕事をする事が大半なので、人間関係のストレスも軽減されました。業務にも集中して取り組めるようになり、夜も眠れるようになりました。今では社内の一通りの業務を覚え、後輩に頼りにされる存在になる事ができ、あの時転職を決意して本当に良かったと思っています。営業職をしていると営業至上主義というか、会社は営業が回しているみたいな価値観が跋扈していますが、実際営業を離れてみると、世の中には様々な職があって、その中には必ず自分に向いている仕事があるんだと改めて思いました。もしこれを読んでくださる方が営業で苦しんでいるのならば、一歩踏み出すきっかけにしていただければ幸いです。