50代後半を過ぎた転職経験豊富なオッサンです。
10年程前に愛知県に住んでいた頃家の外壁塗装の営業マンをやっていました。
他にもいくつかの営業職は経験していました「広告看板,シロアリ駆除、医療器具、など」が、比較的一番永く勤め、一番収入の良かったのがこの仕事でした。
そしてこの仕事以降営業の仕事には就いていませんので、多分この仕事が私の人生の最後の営業であるのだとおもいます。
皆さんも持ち家にお住まいなら一度や二度くらいは外壁塗装やリフォームの営業の電話なり訪問を受けた経験がおありではないでしょうか。
私の勤めていた会社の営業のやり方は半日掛けて塗装工事のパンフレットを片っ端からポスティングして回ります。
地図を片手に一軒一軒パンフレットを入れて、その家の特徴や築年数などを観察していきます。
そしてポスティングが終わり事務所に戻ると、その地図を事務員さんにわたし電話番号を調べてもらいます。
それから約3時間ほど、調べてもらった電話番号にかけまくりアポを取付けます。
「お住まい綺麗になさっていらっしゃいますね。」
「パンフレットを見て頂けましたでしょうか。」
「当社ではフッ素塗料という特殊でとても長持ちする塗料をお勧めしております。」
などとアプローチして、相手が少しでも興味を持ったと判断したら、説明だけさせて頂きたいと、訪問する日時をセッティングします。
大体訪問して、説明を聞いてもらえれば70%以上の確率で成約になると思います。
勿論訪問する際には、クローザーと呼ばれる交渉の専門を伴って訪問します。言うなれば我々営業の仕事は訪問のセッティングまでで終わりという事ですね。
クローザーはお客様の反応を見ながら値引きや支払い方法などを詰めていきます。
その段階まで行けば、ほぼ契約はまとまります。
あらかじめ大幅な値引きの金額を含めて切り出していますから、お客様の反応次第で半額くらいまで下げても充分採算がとれる仕組みです。
最初私は面白いようにアポがとれるので、その仕事に夢中になりました。
休みの日にも地図とパンフレットを持って一人で回っていました。
勿論営業ですから契約まで行かないと給料には反映されません。
いくらアポの数を積み上げても、手当が支給される訳ではないのです。
最初しばらくは私の取ったアポは10軒につき7.8軒くらいの契約に結びついていました。
しかし段々、成約率が落ちて行きました。
10軒アポを入れても5軒から4軒となり比例して玄キャン「いわゆる玄関先で断られる、話を聞いてもらえない」アポが増えて行きました。
原因は明らかです。
興味のない相手や必要のない家に無理矢理アポを入れまくっていたからです。
はっきり申しますと、アポさえ入れればクローザーが何とかしてくれるだろう。
などといった甘い期待を持つようになり、しっかりした調査と準備を怠るようになっていたのです。
自分でもその原因を認識していながらも、アポ内容が向上することは有りませんでした。
そしてこれ以上この仕事をやっても私が営業マンとして大きく伸びることは望めないと思い至り1年と少しでその外壁塗装の会社を退職しました。
それから現在に至るまでずっとタクシーの運転手の仕事をしています。
営業の仕事と一緒でタクシーの仕事も売上次第で給料が全然変わってきます。
忙しい時もあれば暇な時もあり、多い時少ない時で約4,5万差がつくこともあります。しかしながらタクシーの仕事は待つのも仕事のうちですから。
私の性分としましては攻めるより待つ、の方が合っているようです。