宮城県に住む40代女性です。
大学卒業後、広告代理店に入社し、営業職をしていました。
男性が多い業界なので、私の周りでは女性の営業は珍しい方でした。
クライアントもほとんどが男性ばかりでした。運が良いことに私は上司や会社に恵まれていたので、自分に課せられたノルマはなく、上司のサポート業務がほとんどでした。それでもたまに1人で飛び込み営業に回らなければいけない時もありました。飛び込み営業は10件回って1件取れれば良い方でした。
ノルマがないとはいえ、やはり断られ続けると精神的に追い詰められるものでした。女性と言うこともあって、からかわれたり、あまり真剣に話を聞いてもらえないような時もありました。
断られてもからかわれても、何度も通い続けるというのは、ある程度メンタルが強くないと厳しいなと思いました。
でもそのかわり、ようやく晴れて契約が取れた時には、これまで味わったことのないような達成感がありました。もっとたくさん契約が取れていたら、営業職を楽しめていたかもしれません。
しかし現実の世の中は、そんなに甘いものではなく、自分の給料分の利益を産み出すことがこんなにも大変なんだということを身に染みて感じました。
また女性の営業職につきもののセクハラも結構ありました。周囲が男性ばかりということもあり、飲み会の席ではホステスのような扱いを受けることがよくありました。体を触られそうになったり、カラオケではデュエットを歌わなければならなかったりしたのは、相当苦痛でした。酔っ払いに絡まれてもニコニコと余裕で受け流すことができればよかったのですが、私はほとんどお酒が飲めませんでした。飲み会の席では1人だけしらふの状態だったので、上手にかわすことが出来ませんでした。
そういったストレスから3年ほど働いた後、転職を決意しました。転職をしたら営業とは間逆なことをやりたいと思い、事務職を選びました。営業職に比べて給料は少し下がりましたが、これまで味わってきたストレスはなく、一日椅子に座ってパソコンを打っていればいいと、楽そうに思えたからです。実際事務職についてからは、セクハラにあう心配もなくなり、気分的にはだいぶ楽になりました。でも楽そうに見えていたデスクワークは、想像以上に大変でした。1日中パソコンの前に座って書類の作成をするのは、かなり疲れます。事務職の場合、ミスがなくて当たり前なので、褒められることも少なく、それなりにストレスもたまりました。営業職と事務職、どちらが楽か、どちらがやりがいを感じられる仕事なのかと考えてみましたが、それぞれ魅力的な部分もあるし、辛い部分もあるので、どちらが良いかはわかりませんでした。でも転職をしたおかげで前職の良いところに気づくことができたので、ずっと同じ仕事を続けていたよりも視野が広がったような気がします。今後転職をする機会があったら、また営業職をやってみたいと思います。