現在37歳になる私は、このお話の当時、まだ社会人駆け出しも同然の28歳でした。
実は、その頃すでに不動産業界で働いており、その業界の魅力にハマっていたので色んな会社を転々としてはたくさんの経験を得ようと、4度目の転職をしたのです。
業界はまさに男の職場でしたが、父親のいない私にとっては非常に刺激的な職場環境でしたし、私自身が男のくせにだらしないと言われる事が多かったので、こういった業界は自分を育てるために非常に適した環境であるとも自覚していました。
しかしながら、最後に転職した会社が、まさにブラック中のブラックで、下手したら病気で死んでしまうかもしれない経験をしたのです。
その頃から私は埼玉県の郊外に住んでいるのですが、毎日の出勤時に電車の中でスキルアップできる本や、日経新聞を読むのが好きだったので、多少は通勤時間が長いのはむしろ好都合でした。
最後に転職したその不動産会社は投資マンションを売る会社だったのですが、売れなければ奴隷同然の扱いを受け、アポイントが取れるまで帰らせてもらえない社風でした。
新人については朝8時に出勤。夜は一日中電話をかけ続けて22時や23時まで電話を掛ける。
休憩はその間、中間休2回とお昼休憩30分のみでした。
それ以外は、ずっと電話営業をし続けて、電話の相手に怒鳴られ脅され、営業トークができていないと部長の靴が飛んでくる始末。
すぐに疲れはピークを迎えるのですが、辞めるに辞められない雰囲気のためそのまましばらく仕事を続けていました。数か月もすると、排便した時の変な色に気づくのです。
なんと、茶色ではなく真黒な便が出始めました。調べてみたところ、これは胃や腸で出血が激しいと出る症状だということでストレス性の胃潰瘍を患っていたことをその時に気づいたのです。
その後も、仕事は数か月続けたのですが、日に日に痩せていく自分と、数時間ごとに胃薬を飲まなければ耐えられない胃痛、寝不足もそこに上乗せされた結果、ついにある日帰り道の電車で倒れてしまったのです。
突然目の前がフラフラし始めて、真っ暗になったんですよね。
それを機に、家族から強い説得を受けて会社を辞めました。
その時から今に至るまで、胃潰瘍の癖なのか、ストレスを感じると激しい胃痛と伴うようになったため、ストレスの少ない派遣会社で働いています。
正直、社会人としてはただのぶら下がり社員と化していますが、ただ、健康ってこんなに素晴らしいものかと実感しています。
こんな経験や仕事ぶりを買われて大事なポストも任せてもらえたりしていて、今は非常に充実していますし、何より、無理やりだとか強制的に行わされる業務ではなく、自分で考え、提案し、失敗したら会社が全体で守ってくれる体制である、簡単に言うと普通の会社ですがそれでも私は十分に満足しています。
もう二度と、不動産営業はしたくないなと思った過去のお話です。


