営業から異業種へ転職した方の体験談〜建築関係営業から運送業へ〜

私は今現在30歳の男性で、大学を卒業後に新卒で建築関係の営業マンとして就職しました。
当時は千葉県に住んでおり、今現在は転職の際に埼玉県に引っ越しております。
営業をしていたのは大学を卒業後1年半前後で、その後いくつかの会社を転職して今現在運送業に勤めております。
営業を辞めようと思ったのは、とにかく仕事をしていても誰も喜んでくれないという所でした。
事務、経理、人事、どんな仕事であれ、通常の仕事であればその仕事をする事で誰かに疎まれたりする事は少ないと思います。
ですが営業は違います。
特に私の場合は個人宅への飛び込み営業をしており、毎日インターホンを押して押し売りをするという事が仕事でした。
誰でも想像に難しくないと思いますが、いきなり知らない人がインターホンを押して高額な建築の商品を売りつけようとしてきて良い印象を持ちますか？という事です。
誰だって嫌ですよね。
それ以外でも日々生活をしていれば様々な営業が訪問してくると思います。
そういう事が何回も重なれば誰だって営業は本当に嫌だ、もう来ないで欲しいと思うようになります。
ですが営業をしている方からしたら行きたくなくても仕事なので訪問しないといけません。
そして結果としてイライラさせてしまい、毎日の様に罵声を浴びせられて、足が棒になるまで毎日訪問を繰り返す状況でした。
営業というのはどこの会社でも同様ですがとにかく数字が全てです。
特に私がいた会社はブラックとしても有名な会社でして、毎日支店長が支店で罵声をあげているのは当たり前で、とにかく体育会系の職場という感じでした。
とにかく数字が出ていないと皆の前での吊るし上げが酷くて、離職率もとても高く1年で新卒の半分以上がいなくなりました。
それ位仕事もきついのに、上司もきついという状態で毎日恐怖感で何百件も訪問をしてようやくアポが取れるという感じの仕事内容でした。
そしてそのアポに関しても殆どの人が相手をしてくれない中で、ちょっと良心があって同情心が出てしまった優しい人を巧みに丸め込んでとにかく無理やりアポを入れてしまうという、もう相手の状況なんて一切無視してとにかく自分のノルマの為にという思いで相手を思いやる事なんて全くできませんでした。
普通に仕事をしているだけで誰かに恨まれて、罵声を浴びせられる仕事なんてこの仕事以外にあるのだろうかと毎日辞めたくて仕方がありませんでした。
それに加えて支店で、営業は商品を売りつけなくて自分を売れば無理やり売る必要なんてない、商品より心だよ。
これを売る事で結果としてお客様が喜んでくれる、人の役に立つ仕事なんだと洗脳の様な事を毎日罵声を浴びさせながら言われ続けます。
もう毎日人から嫌がられてとにかく、すがるものが欲しくてその言葉を信じて、とにかくガムシャラに毎日根性だけで営業していたら結果として支店でトップで会社全体で3番という結果を1年目から残す事ができたのですが、その時振り返ってみるとお客様に申し訳ないという気持ちしか起きませんでした。
明らかにもっと安くて良い商品が他にあるのに、それよりも100万円以上高く売りつけたり、余計な恐怖感を与えて無理やり売りつけたりと本当に人として最低の事しかやってきていない実績で会社で成績を残した結果後悔しか残りませんでした。
この時にもう辞めようと決意しました。
もっと普通に仕事をしているだけで誰かの役に立てて喜ばれる仕事をしようと心に決めて転職をしました。
それからいくつかの会社に転職し今の運送業に至るのですが、運送業でいえば普通に荷物を運んだだけで相手からありがとうと言われたり、お客様からご苦労様と言われりと営業マン時代では得られなかった誰かの役に立てているという当たり前の感情を持つ事ができています。
誰だって働くなら誰かを騙したりしないで、普通に感謝される仕事をしたいと思うはずです。
私はいくつか転職をしましたが、二度と営業には戻らないと心に決めております。
一度でも営業をした事がある人ならばその他の仕事の快適さが身にしみて分かると思います。
あの経験があるからこそこうやって日々仕事に感謝して働けると思うと、ある意味ですが営業をして良かったのかもと思いますが、もうあの頃には戻らないという気持ちは今後一生涯揺れる事はないと思います。